映画『ナミビアの砂漠』レビュー|評価が分かれる心理ドラマ
『ナミビアの砂漠』は解釈の難しい詩的作品。人生はイロイロ。感じ方は人それぞれ。
本作は非常に、何というか、良く言えば自由な、悪く言えば視聴者任せな作品である。
▶ 読みたいところだけチェック
映画『ナミビアの砂漠』は、視聴者によって評価が大きく分かれる作品だろう。
実際、Amazonプライムのレビューは面白いくらいに票が割れている。

私は好。"好き"ではなく"好"。つまり、そういう作品だ。
1人の女性の人生の1部分の中での、心境の変化を切り取って眺める映画。
また、心境の変化から起こす行動、なぜそんな行動を起こしたのか、どうしてそんな心境になったのか、視聴者に委ねる作品であるように思う。
いじわるで、嘘つきで、暴力的。そんな彼女に誰もが夢中になる!世の中も、人生も全部つまらない。やり場のない感情を抱いたまま毎日を生きている、21歳のカナ。優しいけど退屈なホンダから自信家で刺激的なハヤシに乗り換えて、新しい生活を始めてみたが、次第にカナは自分自身に追い詰められていく。もがき、ぶつかり、彼女は自分の居場所を見つけることができるのだろうか・・・?
引用:Amazon.co.jp: ナミビアの砂漠|Prime Video
評価が割れるのも当然。河合優実が演じる“カナ”の心理は浮かんでいる
本作『ナミビアの砂漠』は、ゆったりとした流れでストーリーがたゆたう。
"ダルさ"を表現したかったのかもしれないが、やや冗長に感じられる部分もある。しかし、そうした間を余韻と捉えることもできる。前述したように、感じ方は人それぞれだ。
”思ったように”、それで良い。
1人の若い女性・カナ(河合優実)の等身大の姿を、ただ淡々と綴る作品。物語を一筋の線で見られなければタルく感じられ、冗長で退屈に映り、ラストまで行き着くのはしんどいかもしれない。しかし人によっては心に共感を呼び、自身と重ねて没入してしまうかもしれない。
そのカナの、感情を読み取るのが非常に難しいというのも本作の特徴だ。はっきり言って、どうとでも取れるのだ。
つまりこの映画は、彼女の行動から浮かび上がる心理を、自分なりに解釈し、自分なりに味わう作品である。そう私は受け取った。
作中でも「感じていることを、感じたままに思うことが必要なんじゃないか」というセリフがあるように、それがこの映画の本質だと思う。
そう。だからこそ賛否両論に帰着するのだ。
河合優実の演技力に注目|主演女優としての存在感
さて、内容にはこれ以上触れないでおく。レビューであるのに、だ。何度も申し上げるが、私の評価は"好"である。
ここで俳優に執着すると、なかなかどうして主演の河合優実は演技派だと感じた。彼女を知ったのは、実はここ最近のこと。映画『悪い夏』を視聴したときである。
けだるさを表現している演技の中にも可愛さを漂わせつつ、ごく自然に演じていた。静かなシーンでは落ち着きを、荒々しいシーンではダイナミズムを。演技面は特に注目すべきポイントである。
調べによると、監督の山中瑶子氏は俳優・河合優実の演技を「想像以上だった。」と絶賛していたらしい。
(まぁそれ言っちゃえば、カウンセラー役の人は本物なんじゃないか?って思うくらいにカウンセラーしてたんだけど)
まとめ|映画『ナミビアの砂漠』は、個々の感性で観る映画
本作はストーリー性よりも、空気感や感情の揺れに重きを置いた作品である。
終着駅や明確なメッセージはない。しかしながら、人に何かを感じさせるものだ。別に嫌いでも良い。
私にとっては「好き」ではなく「好」だった。
- 登場人物の心理を想像しながら観るのが好きな人
- 河合優実の演技に注目している人
- 説明的なセリフが少ない邦画を好む人
そういう、映画だった。
映画『ナミビアの砂漠』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)
- 監督:山中瑶子
- 出演:河合優実、金子大地、寛一郎
- 公開年:2024年
- ジャンル:ヒューマンドラマ、心理劇、アート系
- 配信:Amazonで『ナミビアの砂漠』を見る