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タイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』が超スリリング!映画感想

タイ映画『バッド・ジーニアス』は高校生版オーシャンズ11!級なカンニング・クライムドラマ|レビュー評価

超スリリングなカンニング・クライムドラマ!

天才高校生が試験合格を請け負う、前代未聞のタイ発スタイリッシュ・エンターテインメント。

試験会場を舞台に繰り広げられる知能戦——果たして彼女たちの作戦は成功するのか?

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あらすじ

小学生の頃から常に成績は優秀で、中学では首席という圧倒的な学力を誇る女子高生リン(チュティモン・ジョンジャルーンスックジン)。裕福ではない父子家庭で育った彼女は、その抜群の頭脳を買われ、進学校へ特待生として編入することになる。転校先で最初に仲良くなったのは、クラスメイトのグレース(イッサヤー・ホースワン)。ある試験中、リンは機転を利かせてグレースを助ける。やがてその出来事が周囲に知れ渡り、グレースの恋人パット(ティーラドン・スパパンピンヨー)が、リンに対してある「提案」を持ちかけてくる。

世界を巻き込む試験不正のスリル!『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』はVOGUISHでスリリングな傑作である

本作『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』は、知的スリルとスタイリッシュな演出が光る一作。その魅力は、何と言ってもテンポの良い展開と手に汗握る緊迫感にある。巧妙に練られた作戦と、それに伴う知能戦が視聴者を否応なく物語へと引き込んでいく。ストーリー展開はVOGUISHでありながら、高いリアリティを保っている点も見逃せない。

また、劇中のBGMにはクラシックやオペラなどの楽曲が効果的に用いられており、作品全体の雰囲気をさらに引き上げている。音楽が緊張感を煽り、映像と一体となって物語を彩る演出は見事だ。

世界をまたにかけた知略のゲームが、始まる。

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タイ映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』|天才女子高生が挑む世界規模の試験不正計画

舞台はタイ・バンコク。貧しい父子家庭に育ったリンは、小学校から中学までの成績がオールAの超秀才女学生。その学力が認められ、国内有数の進学校に、授業料免除&ランチ無料提供という好条件で特待奨学生として迎えられる。

ある日、試験中にひょんなことからリンは友人のグレースを助け、結果的にグレースはテストで好成績を修めてしまう。そのことがクラスメイトに知れ渡り、リンは有償での不正行為を請け負うことになる。リンは後ろめたさも抱きながら、しかし貧しい家庭を助ける為に不正に手を染めていく。

やがて不正行為は教師側にバレてしまい、リンは特待奨学生の資格を失ってしまうが、しかしその裏では、学校側も生徒の家族から賄賂を受け取っており、リンの父親もまた理事長に金品を渡していた事実が発覚する。理不尽な現実を前に、リンは言いようのない喪失感に包まれる。

本意ない悲しみに暮れるリンに、グレースの恋人パットから、さらなる“ビジネス”の話が持ちかけられる。それは、アメリカの大学進学に必要な試験「STIC」(※本作オリジナルの架空試験)での不正協力である。物語は学校内にとどまらず、世界規模へ発展。

こうしてリンは、仲間たちと共に、世界を股にかけた前代未聞の秘密作戦・オペレーションに挑むこととなる。

 

「高校生版オーシャンズ11」その見どころ

本作『バッド・ジーニアス』は、そのスリリングな展開と緻密な計画性から、「まるでオーシャンズ11みたいだ」とか思っていたら、実際に海外では「アジアのオーシャンズ11」「高校生版オーシャンズ11」とも評されていて、その異名にふさわしい快作だ。

ただし、本作で狙うのは金庫の中の現金ではなく、“試験の解答”。怪盗だけに。盗まれるのは情報であり、それが視聴者に新鮮なスリルをもたらす。

ここでは、そんな『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』の見どころを2つの観点から紹介する。

緻密すぎる手口が見どころ|“音楽”を使ったトリックに注目

『バッド・ジーニアス』の最大の魅力は、なんといっても計画の緻密さと現実味である。天才高校生たちが、いかにして試験中に答えを仲間に伝えるのか。その手口には驚かされる。

一つだけそのトリックを紹介すると、”音”を使用する。マークシートに記述する解答の「ABCD」を音楽に見立てて仲間に伝えるのだ。前述した通り作中には多くのクラシック音楽が使われているが、不正行為に音を使うことを効果的に描写するためだろうと思われる。また”音楽”は、詳しくは書かないがリンが解答を暗記するためにも利用される。その突飛なアイディアは面白い。

こうした斬新な手口がリアリティをもって描かれていることにより、本作はサスペンス映画としての完成度を一層高めている。

学力だけでは覆せない社会の不条理|リンの台詞に込められた怒り

リンは、同じく特待奨学生でありながら貧しいバンクをカンニングに誘うとき、「私たちは生まれついての負け犬」と自らを称する。人より努力しないとダメだ、とも言う。学年どころか、国内トップクラスの天才でありながら、だ。リンの台詞には、社会への怒りと悲しみがにじんでいた。

それは、ただの高校生の反抗心ではなく、社会システムそのものへの抗議とも受け取れる。なんというか、そこには社会に蔓延る不条理さや理不尽さに対するリンの思いが込められているような気がする。やらなければ、やられる。やられるまえにやっちまえ。リンの、自分の無力さや悔しさがにじみ出ていた名シーンの一つだと私は感じた。

不正行為に手を染めるリンの背景にあるのは、努力では超えられない壁や理不尽なルールへの静かな抵抗である。この深みがあるからこそ、観終わった後に多くの問いを残す映画となっている。

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こんな人にオススメ!『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』

『バッド・ジーニアス 危険な天才たち』は、単なる青春映画では終わらない。緻密なトリックと息詰まる展開、そしてその裏に潜む社会への問題意識が、本作を一段上の作品へと押し上げている。スタイリッシュでスリリング。だけど、どことなく胸が痛む――そんな余韻が残る一作である。

  • スマートで計画的なクライム・サスペンスが好きな人
  • 『オーシャンズ11』や『コンフィデンスマンJP』のような頭脳戦が好きな人
  • アジア映画に興味がある人
  • スタイリッシュな映像と音楽が融合した作品を好む人

知性とスピード感あふれるサスペンスを求める人にも、現代社会にある格差や不条理を描いた物語を求める人にも、ぜひ手に取ってほしい作品である。

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映画『バッド・ジーニアス 危険な天才たち(2017年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)

  • 監督:ナタウット・プーンピリヤ
  • 出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン、チャーノン・サンティナトーンクン、イッサヤー・ホースワン、 ティーラドン・スパパンピンヨー
  • 公開年:2017年
  • ジャンル:クライム、サスペンス

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