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『箱入り息子の恋(2013年)』感想|星野源×夏帆の初々しい純愛とHSP的?共感ポイント

視覚障害の女性と人付き合いが苦手な男性――不器用な二人が紡ぐ純愛ラブストーリー

―『箱入り息子の恋』―

2013年公開の映画『箱入り息子の恋』は、星野源主演の話題作であり、数ある邦画恋愛映画の中でも高い評価を得ている作品である。

本作の主人公は、人付き合いに難のある、そして恋愛経験はない35歳の男性・天雫健太郎(星野源)。彼が出会うのは、視覚にハンディキャップを持つ今井奈穂子(夏帆)。 ぎこちなく拙いながらも、真っ直ぐな気持ちを描いた純愛ロマンスストーリーである。

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箱入り息子の恋』は、不器用な男女の純愛を丁寧に描いた恋愛映画であり、星野源×夏帆の演技が光る名作として、多くの視聴者に深い感動を与えた作品である。恋愛に不器用な人、純愛映画を探している人に、強くオススメしたい、そんな一作である。

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『箱入り息子の恋』あらすじ

市役所勤めの天雫健太郎(星野源)は、恋愛経験ゼロのまま35歳を迎えた「箱入り息子」である。両親が縁談を持ち込み、その見合い相手として紹介されたのは、視覚障害を持つ今井奈穂子(夏帆)。ぎこちない二人の関係は少しずつ進展していくが、周囲の反対や不器用さゆえのすれ違いに直面する。

『箱入り息子の恋』簡単レビュー・見どころ

本作品の展開は、どちらかと言えばスローペース。ストーリーは淡々と進むが、そのアンダンテなテンポが天雫健太郎(星野源)今井奈穂子(夏帆)の関係をゆっくりと、しかし確実に近づいていく様子にしっかりと同調している。

決して情熱的な派手な恋ではないが、二人の感情がしみじみと伝わってきて、私はなんだかあったかいような、ずっと見守っていたい気持ちに包まれた。

箱入り息子の恋』には、甘いセリフや典型的なロマンティックシーンはほとんど登場しない。それでも私は、見ていてまるで初恋のような(健太郎にとってはマジで初恋)こそばゆくて照れる感覚を覚えた。健太郎にとってはまさに初恋だからこそ、その純粋さが視聴者の心にも響いてくるのである。

コメディ映画に分類するまでには及ばないが、クスッと笑ってしまうようなシーンもあって、淡々とした描き方ながらも飽きさせない工夫がされていると感じた。

さらに、健太郎とは対照的に恋愛に奔放な女性(石橋穂乃香)との交流も描かれる。人との関わりに奥手な健太郎は、その交流を通しても奈穂子との関係を後押しされる。この対比が、ストーリーに奥行きを与えていると感じた。

私は、『箱入り息子の恋』が単なるラブストーリーにとどまらず、主人公・健太郎の人間的な成長を描いている点にも強く惹かれた。恋愛要素と人間ドラマが絶妙に絡み合い、物語をよりコクのある作品に仕上げていたと私は思う。

 

キャストと演技の魅力

本作は星野源にとって、俳優として本格的に始動し始める前の作品である。この作品の後、『逃げるは恥だが役に立つ』、『罪の声』などで幅広い役柄を演じるようになるが、本作ではまだ初々しく、たどたどしさが残る。その演技が作品のリアリティとして調和しており、星野ファンにとっても見逃せない作品だ。

夏帆について。私はずっと名前を”なつほ”と勘違いしていたが、正しくは”かほ”である。個人的にはあまりTVや映画で見かけた印象がなかったが、現在も昔から絶賛活躍中のようだ。

当時は清純派のイメージが強かったらしいが、作中でもその純粋なイメージを遺憾なく発揮して、箱入り娘のお嬢様という役柄を演じきっていた。本作は『箱入り息子の恋』というタイトルだが、ヒロインの今井奈穂子もまた社長令嬢という肩書で「深窓の令嬢」、そして視覚障害があることでより両親から手厚い保護を受け、外部との接触が少ない環境で育った「箱入り娘」なのだ。

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映画では一貫して「守られるお嬢様」を貫くが、それでも健太郎の前では自分の気持ちや自分がしたいことを強く主張する一面が見られ、健太郎に惹かれ彼女も一緒に成長していく役割を演じていた。

そして私の印象に残ったのが、奈穂子の両親役として出演している大杉漣黒木瞳だ。大杉漣は会社を経営する厳格な父親を演じ、冴えない健太郎を一蹴する迫力ある存在感を見せていた。私は、「やはり大杉漣はこうした頑固な父親役が実にハマる」と感じた。 

一方で黒木瞳は母親役を務め、父親とは対照的に健太郎の優しさを気に入り、陰ながら二人を応援する立場をとる。私は久しぶりに黒木瞳を拝見したが、相変わらずお美しい。変わらぬ美しさと、内面からにじみ出る品格に圧倒された。美しい女性というものは、内側から美しいものだ。元宝塚歌劇団月組トップ娘役としての実力を遺憾なく発揮し、物語に大きな彩りを与えていた。

私はこのように、『箱入り息子の恋』のキャストたちがそれぞれの持ち味を活かし、ストーリーをリアルでより深みのある恋愛映画に仕上げていると感じた。星野源と夏帆の初々しい純愛に加え、大杉漣・黒木瞳といった実力派俳優の存在感が、映画全体を引き締めているのである。

 

『箱入り息子の恋』とHSP――私の共感ポイント

映画を観ていて、私は主人公・天雫健太郎にどこか通ずるものがあるなぁと感じた。いや別に、私は人付き合いが不得手であるわけではないし、「魔法使いを拗らせている」わけでもない。むしろ私は円滑に人間関係を構築するし、異性からは好意を寄せられる方だ。自分で言うのも何だが、私は平均よりモテるし、容姿も端麗な方である。

そうは言っても、上手くできるからと言って、それが好きなわけではない。

どうしても接しざるを得ないから接しているだけで、どうせ接するならと上手く立ち回っているだけだ。できれば人との繋がりなんて無い方がいい、そう私は思っている。

億劫なのだ。私は相手の表情から感情を読み取り、適した応対をするのが億劫で仕方ない。非常に疲れる。お酒自体は好きだから付き合いで飲みに行ったりもするが、酔いが覚めた次の日はどっと精神が疲れている。

当日に「遊ぼう」とか誘われるのはもってのほかだ。せめて一週間前には言って欲しいと思う。その日に何の予定がなくても、急に出かけるなんてことは控えたい。なんていうか、心の準備が必要なのだ。別に相手のことが嫌いなわけではない。ただ、私は心の準備期間がないと精神的にキツイのである。

あと、私は一人でいる時間が大好きだ。一人焼肉、一人カラオケ、一人回転寿司――なんでも一人で楽しむ方が性に合っている。映画鑑賞なんてその最たる例だ。他人となんて一緒に観てられない。

健太郎はヒロイン奈穂子と出会うまで、職場と自宅を往復するだけの生活を送っており、趣味は格闘ゲームと蛙の飼育だった。

一方で私は職場と自宅の往復だけで、趣味は映画鑑賞とブログの執筆である。それくらいの違いしかない。

できれば私も健太郎のように、誰とも話さず誰とも接さず誰とも関わりたくない。

私は本当はSNSも使いたくなかった。しかしながら、ブログの認知のために仕方なくX(旧Twitter)のアカウントを作った。それでも、運営は最低限にしている。ポストには自分以外は返信出来ないようにしてあるし、DMなんてフル無視である。私は自分から他人のポストにリプライしたりしない。関わろうものならネット上だけとは言え、人間関係が出来てしまうからだ。

ブログのコメント欄を閉鎖しているのも、同じ理由だ。いちいち人の評価を気にしてしまうからである。それが嬉しいコメントでも、なんか気に揉む。映画の感想が逆意見のコメントなんて来たら大ごとだ。たぶんブログをやめる。真っ当な意見であってもだ。

このような理由から、私は自分をHSPだと考えている。健太郎もフィクションの人物ではあるが、私は「彼もHSP的な気質を持っているのではないか」と感じる。

HSP(Highly Sensitive Person)とは、非常に感受性が強く、刺激に敏感な気質を持つ人を指す心理学的な概念である。心理学者エレイン・N・アーロンによって1990年代に提唱され、人口の15〜20%がHSPに該当するとされている。

HSPの特徴は、大きく以下の4つに整理されている。

  • 深く処理する(Depth of processing)
    物事をじっくり考え、情報を多面的に受け止める。小さな変化や細部にも気づきやすい。
  • 過剰に刺激を受けやすい(Overstimulation)
    大きな音、人混み、強い光などに疲れやすい。忙しい環境ではストレスを感じやすい。
  • 強い感情反応と高い共感性(Emotional reactivity and empathy)
    他人の気持ちを敏感に察し、共感しやすい。映画や音楽などにも強く心を動かされる。
  • 些細な刺激に気づく(Sensitivity to subtleties)
    相手の声色や表情のわずかな変化、環境の小さな違いにすぐ気づく。

HSPは病気や障害ではなく、生まれつきの気質である。そのため「気にしすぎ」「神経質」といった否定的なラベルを貼るのではなく、繊細さを強みとして活かす視点が重要である。創造的な仕事や人の気持ちに寄り添う場面で力を発揮する一方で、刺激の多い環境では疲弊しやすいため、自分に合った生活リズムや休息の工夫が求められる。

HSPは概念であり、医学的な診断名や精神疾患のカテゴリーではない。だから「この人はHSPだ」と決定づけることはできないんだけど、しかしネットのHSP診断テストでは、私は高得点だった。

HSPの診断結果が載せられている。スコアは118。HSP強度【強】

『HSP診断テスト結果』

hsptest.jp

私はネット上のHSP診断テストで高得点を取り、強度【強】と判定された。だから私は自分の性格や気質に納得しているし、健太郎の振る舞いに強く共感するのだ。

気になる人は、一度テストしてみるといい。

「私は繊細だ」と主張するつもりはない。しかし、私は人混みや音に敏感で、職場の電話の音にビックリしたり、混雑に胸が苦しくなったりする。あの人への返答に問題はなかっただろうかと気になるし、自分の言動が相手の気に障ってなかっただろうかとか、傷付けたんじゃないだろうかとか、本当に小さな出来事でもいちいち気にしてしまう。大勢でいると疲れてくるし、突然に人が訪ねてくるのも苦手だ。

だから、できればあまり人と関わりたくない。

健太郎もおんなじなのではないだろうか。初めてのお見合いで、ルッキズムを否定するようなことを彼が言ったのも、そんな理由からではないか。とかく健太郎は人付き合いを煩わしく思っている。それは、彼にHSPという背景があるのかもしれない。という私の妄想。

 

こんな人にオススメ!

映画『箱入り息子の恋』は、以下のような人に特にオススメだ。

  • 派手な恋愛映画よりも、静かで丁寧な純愛ストーリーを観たい人
  • 星野源や夏帆の初々しい演技を堪能したい人
  • 人付き合いや恋愛に不器用な主人公に共感できる人
  • 心がほっと温まる邦画を探している人

 

まとめ

箱入り息子の恋』は、不器用で内向的な主人公と、視覚障害を抱えながらも前向きに生きるヒロインが出会い、少しずつ惹かれ合っていく姿を描いた純愛ラブストーリーである。 私はこの映画を観て、初恋のようなこそばゆさと、じんわりと心に広がる温かさを感じた。

派手さはないが、静かに心に響く恋愛映画を求めている人には強くオススメしたい一作である。

視聴後は、あなたもきっと「人を好きになることの尊さ」を思い出すだろう。

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映画『箱入り息子の恋(2013年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)

  • 監督:市井昌秀
  • 出演:星野源、夏帆、平泉成、森山良子、石橋穂乃香、柳俊太郎、竹内都子、大杉漣、黒木瞳
  • 公開年:2013年
  • 上映時間:117分
  • ジャンル:ロマンス、障がい

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