のんびり映画帳

映画レビューブログ「のんびり映画帳」。B級映画、配信作品、名作から地雷まで本音レビュー。感想だけでなく、独自の意見や考察を交えます。できるだけネタバレは控えています。

ホーム feedly お問い合せ PrivacyPolicy

映画『FALL/フォール』感想レビュー|高所恐怖を極限まで描いたサバイバルアクション

映画『FALL/フォール』は、2022年にアメリカとイギリスで制作・公開されたサバイバル・スリラー映画である。
監督・脚本はスコット・マン、出演にグレイス・キャロライン・カリーやヴァージニア・ガードナーらが名を連ねる。
高さ約600メートルの廃止された電波塔で遭難した2人の女性を描く極限サバイバル作品。

🗼超高所恐怖のサバイバルアクション!

映画『FALL/フォール』感想レビュー【あらすじ・見どころ解説】

高いところに立つだけで足が震えるという人は少なくないだろう。映画『FALL/フォール』は、その高所の恐怖を画面いっぱいに増幅させ、視聴者を“いつ落ちてもおかしくない”という張り詰めた緊張感へと引きずり込む。地上600メートルの電波塔に取り残されるというシンプルな設定ながら、超リアルな映像表現と心理描写によって、従来のサバイバルアクションを超えた没入体験を与えてくれる作品である。

私は普段、高い所はそれほど苦手ではないが、それでも本作を観ている最中はさすがに足がすくんだ。やはり人間にとって「高所の恐怖」は生存本能に直結しているのだと痛感させられる。調べによると、高所恐怖症とは単なる「高いところが怖い」ということではないらしい。

高所恐怖症とは?

「高所恐怖症」とは単に高い場所が怖いということではない。医学的には以下のような症状が特徴とされる。

  • 動悸・めまい・発汗・吐き気などの身体反応が出る
  • 安全な高さ(ビルの数階や展望台など)でも強い恐怖を感じる
  • 高所を避けるあまり、日常生活や行動に支障をきたす

つまり「高い所が怖い=高所恐怖症」ではなく、「普通よりずっと強烈に怖がり、生活に影響が出る状態」が高所恐怖症とされるわけである。

『FALL/フォール』は誰におすすめ?

結論から言ってしまえば、強い高所恐怖症の人にはオススメできない作品である。映画を観るだけでも強烈な恐怖を感じる可能性があるからだ。実際に私は高所恐怖症ではないが、映像を目にするだけで手に汗をかいて、足が震えた。

しかしながら、ジェットコースターが好きだとか、高いところから川に向かって飛び込むのが好きだとかいう人には、自宅にいながら「落下の恐怖」と「生き延びるスリル」を味わえる稀有なサバイバル映画である。

▶ 読みたいところだけチェック

 

『FALL/フォール』あらすじ

荒野にそびえ立つ電波塔を舞台にしたサバイバルスリラー。 恋人を亡くしたショックから立ち直れずにいたベッキーは、親友ハンターに誘われ、地上600メートル超の廃塔に挑むことになる。軽い気持ちで始めた登頂は成功するが、老朽化したはしごが崩れ、二人は頂上に取り残されてしまう。水も食料も乏しく、助けを呼ぶ手段もない中、極限の恐怖と精神的な葛藤が襲いかかる。

映画『FALL/フォール』の感想・見どころ

映画『FALL/フォール』を視聴するまでは、「老朽化したテレビ塔が崩れ、命からがら滑り落ちながらも最後には地上に戻る」といった展開を予想していた。しかし実際は違っていて、物語の大半は塔の頂上で助けを待ち続けるサバイバルで描かれている。

冒頭には迫力満点のロッククライミングシーンが用意されており、視聴者はいきなり高所の恐怖へ突き落とされる。序盤で映画の魅力を提示する効果的な良い演出だ。それでも全体のストーリー進行のテンポはやや緩やかに感じられるかもしれない。随所で”落ちる!ゾワッ”みたいな足のすく思いのする場面があるが、それでも若干の冗長さを感じた。なにしろ本作の大筋な基本構造は「塔のてっぺんで救助を待つ」というシンプルな流れに収まるため、間延びして感じられるのは多少はしかたないだろう。とはいえ、今にも”落ちる!ゾワッ”の臨場感は一級品で、今キーボードで文字を入力している最中にそのシーンを思い出しては手が汗でべっとりしてくる。

また、本作は高所での恐怖を描くだけでなく、極限状態の中で浮かび上がる友情や裏切りといった展開もあって、ただ生き延びるだけではない人間ドラマも語られる。単なるサバイバルスリラー以上の厚みを持たせている点は高く評価できる。

代わり映えしない日常の繰り返しに刺激がほしい人や、自宅でお手軽カンタンに高所スリルを体験したい人は、是非いかがだろうか?

 

映画『FALL/フォール』の映像美とリアリティ

映画『FALL/フォール』は高所を舞台にしたサバイバルアクション映画だが、注目すべきは何もスリルさだけではない。こだわり抜かれた映像表現や演出も本作の大きな魅力である。ここではその見どころを紹介していく。

圧倒される映像美

本作は「高所の恐怖」ばかりが話題になりがちだが、実は映像美も見逃せない。広大なアメリカの荒野に広がる見渡す限りの地平線、時間とともに変化する空の色、嵐を告げる遠方の雨雲や轟く雷鳴の光――600メートルという高さから見下ろす世界は、思わず「なんて地球は広いのだろう」と感じさせるほど雄大だ。

絶望的な状況にあっても、夕陽の美しさや夜明けの光は観る者を一瞬だけ恐怖から解放し、「高い場所にいることの特別な体験」として心に残る。こうした映像美は、単なるスリル映画にとどまらない深みを作品に与えている。

リアリティを追求した演出

本作のもう一つの見どころは、細部にわたる見事なまでのリアル描写である。主演の俳優陣はしっかりと鍛え上げられた肉体を持ち、ロッククライマーらしい力強さを表現する。腕に力を込めて自身の体を持ち上げるシーンでは、女性でありながらくっきりと力こぶが浮き上がり、その動作に説得力が宿る。

シリアスな表情でスリリングに岩壁を登っていくロッククライマー

AIによるロッククライマー

さらに、救助を待つ中で日に日にやつれていく姿も繊細に表現されている。衣服の汚れや少しづつ焼けていく肌、汗や疲労の表情まで丁寧に作りこまれており、その高いメイク技術がリアリティを生んでいる。こうした演出が極限状態での臨場感を高め、視聴者を作品の世界に没入させるのだ。

 

映画『FALL/フォール』のシナリオ評価と共感できない点

本作『FALL/フォール』は圧倒的なスリルと映像体験を視聴者に提供するが、しかしそのシナリオには疑問を抱かざるを得ない部分がある。端的に言えば、展開に甘さがあり、キャラクターの行動に説得力が欠けている。そして何より、愚か過ぎる。結論からいえば、彼女たちの境遇は「自業自得」と言わざるを得ない。

塔のてっぺんで極致に立たされる二人の女性――ベッキー(グレイス・キャロライン・カリー)ハンター(ヴァージニア・ガードナー)だが、それは事故でそうなったのではなく、むしろ自ら招いた結果である。

物語の中で二人は、老朽化してもうすぐ取り壊される塔であることを知りながら登頂を決行する。しかも危険だからと立ち入り禁止のフェンスまで設置されているのを承知でそれを乗り越えていくのだ。別に誰かに強要されたわけではなく、完全に自らの意思で危険を承知で登頂するのだ。

そしてハンターは動画投稿者として、「再生数稼ぎ」のためにその様子を撮影する。というのも、ハンターは動画投稿の広告収入で生計を立てているという設定である。しかしながら、ロッククライミングの様子を動画投稿するならまだしも、立ち入り禁止の塔に上ってその様子を写真に撮る姿は、実際なら炎上必死だろう。作中では「いいねが300もついた!」とか喜んでいたが、ハッキリ言って立ち入り禁止区域に侵入してる時点で“迷惑系配信”である。その迷惑系配信者が危ない塔に登って危ない目に遭って、しかしそれは自業自得以外の何者でもなく、災難ぶるのは違う気がする。そこに関しては共感できない。

ベッキーもベッキーで、「人生は儚い。人生は短い。」といった哲学的な言葉を口にしながら状況をまとめようとするが、こちらもちっとも納得できず説得力は薄い。自分で危ないとわかって危ないことをして危ない目に遭っただけである。多少ハンターの誘いが強引ではあったが、やっぱり自業自得である。

こういってはなんだが、二人とも愚かな阿呆者である。自ら冬眠中の熊を起こして襲われたようなものだ。もっと共感できる状況設定があれば、シナリオはさらに引き締まっただろう。この点は惜しい部分である。

 

こんな人にオススメ!

映画『FALL/フォール』は、極限状態での人間心理や圧倒的な高所映像を体感できる作品である。以下のような人には特にオススメだ。

  • ジェットコースターや高所アトラクションが好きで、スリルを自宅で楽しみたい人
  • サバイバル映画や極限状況の人間ドラマが好きな人
  • 迫力ある映像美を堪能したい人

🎬 『FALL/フォール』はAmazonプライムで配信中

 

まとめ:映画『FALL/フォール』感想レビュー

『FALL/フォール』は高さ600メートルのスカイツリー級、心もとない老朽化した細い塔に取り残されるというシンプルな設定でありながら、映像美とスリルで視聴者を圧倒するサバイバルアクションである。しかも聞くところによると、本作は300万ドルという低予算で製作されたそうで、それなのにこの高所映像のスリルと雄大な映像美には驚かされる。シナリオに思う所はあるものの、映像表現や臨場感は一級品。そして続編も、決定している。心待ちにしていよう。

高所恐怖症の人にはオススメできないが、スリルや緊張感を味わいたい人にとっては強烈な体験を得られるだろう。映像と演出のクオリティを含め、サバイバル映画好きならば一度は視聴しておきたい作品である。

.スリリングな関連レビューはコチラ.

www.ikakimchi.biz

www.ikakimchi.biz

 

映画『FALL/フォール(2022年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)

  • 監督:スコット・マン
  • 出演:グレイス・キャロライン・カリー, ヴァージニア・ガードナー, メイソン・グッディング, ジェフリー・ディーン・モーガン
  • 公開年:2022年
  • 上映時間:106分
  • ジャンル:アクション, サバイバル

当サイトはアマゾンアソシエイト・プログラムの参加者です。
適格販売により収入を得ています。

© 2023– のんびり映画帳