災害パニック!ところがSFサスペンス展開に驚き!|映画『ジオストーム』レビュー評価
単なる自然災害モノかと思いきや、SF×ミステリー×サスペンスの意外な展開に驚愕
舞台は、気象を人為的にコントロールできるようになった近未来?
豪雨、豪雪、台風、竜巻、落雷、干ばつ――人類はあらゆる自然災害を人工衛星ネットワークによって制御している。
いきなりスケールでっかい!
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ある日、その気象コントロール衛星が突如暴走する。
アメリカ政府は、システムを開発した一人の天才技術者を呼び戻し、事態の解明と収束を託すが――。
映画『ジオストーム』は、地球規模の気象災害をテーマにしたディザスター映画かと思いきや、SF要素や陰謀サスペンスまでを絡む、想像以上にスリリングな展開を見せつけてくる。
ある日、天気が支配された。世界各地で未曾有の自然災害が次々に発生。世界の指導者たちは一堂に会し、衛星同士のネットワークを構築して地球全体の気象をコントロールすることで、人々の安全を図ろうとする。ところがある日、想定外の事態がー。地球を守るはずのシステムが、逆に地球を攻撃しているのだ。はたして限られた時間の中で、この脅威の真相を解明できるのか。さもなければ世界規模の同時多発災害(ジオストーム)によって、何もかもが地上から消し去られてしまう…もちろん、人類も。
映画『ジオストーム』のVFXが圧巻|災害のスケールも映像の迫力も超一級!
VFXは、言うまでもなく一級品の最高クオリティ。
落雷!火柱!巨大トルネード!ビルは次々と倒壊し、隕石クラスの雹(ひょう)がバスを貫く!
まさに地球が崩壊しかけているような危機的状況――なのに、映像がすんごくて、むしろ興奮が止まらない冷めやらない。
迫力が桁違いで、息を呑むどころか感動すら覚える。
このスケール感を見てしまうと、日本の災害映画がいかに“小規模”かを実感してしまう(もちろん、日本映画には日本映画の良さがあるので悪しからず)。
東京も登場?リアルすぎる破壊シーンに注目
地球規模の災害を描いた本作。当然、日本も例外ではなく被害を受ける。
作中では、「これ東京で撮影したの?」と思わせるようなリアルな街並みが登場するが、よく見ると車のナンバーが本物のそれではない。つまり、どこかに“東京風”の街を完全再現し、それを丸ごとぶち壊しているのだ!
ありえないレベルの再現度と破壊。そうだこんなのありえない!カネが舞い散る巨額の映画!
破壊の快感と、その裏にあるロジック
ぶち壊す――それだけで妙な爽快感があるものだ。子どもの頃、海辺の砂浜で山を作っては壊し、また作っては壊し…。マインクラフトだってそう。積み上げては爆破する。えも言われぬ破壊の快感(マイクラやったことないけど)。
だが本作『ジオストーム』は、ただ破壊の爽快感だけで終わらない。きちんと「原因」があり、それによって「結果=破壊」が生まれているのがポイントなのだ。
地球の状況と宇宙の状況、交互に描く様の緊迫感。宇宙での気象衛星システムの暴走が、地球上では異常気象という形で表れる。
宇宙でのシステムのコンピュータウィルス感染が、地上では通信障害を引き起こす。
本作では、原因とその結果を交互に描くことにより、更なる緊張感を覚えさせ、大規模VFXのリアリティをより現実味のあるものとしているのだ。
その説得力あるVFXの表現力を前にして、舌を巻くことしか私にはできなかった。
映画『ジオストーム』の舞台は近未来?SF設定のリアリティと限界
本作『ジオストーム』は、全体の雰囲気としては現代的な社会が描かれているものの、宇宙ステーションが遠心力による擬似重力を利用していたり、AR(拡張現実)技術を駆使した未知のデバイスが登場したりと、背景設定は明らかに近未来にあると考えられる。
作中では具体的な年代が明示されていないが、地球全体の気象をコントロールする人工衛星ネットワークの存在が、現代とは一線を画している。この気象コントロールシステムにより、人類は台風や干ばつ、豪雪などの災害を未然に制御し、天候を完全に支配しているという設定だ。しかしまぁ、2025年の時点でそんなものは夢のまた夢。カルダシェフ・スケールで言えば0.9くらいは至ってそうな技術。現状、実現するなら100年くらい先だろう。あとなんか、気象を操るだなんて、倫理的な課題もありそうだし。
カルダシェフ・スケールとは、文明の発展度をエネルギー利用の規模で分類する指標。
- タイプI:惑星規模のエネルギーを完全に活用できる文明(地球全体の気象制御などが可能)。
- タイプII:恒星のエネルギーを完全に制御可能(例:ダイソン球)。
- タイプIII:銀河規模でエネルギーを制御できる超高度文明。
現代の人類はまだタイプIにも到達しておらず、一般的に「タイプ0.7〜0.8」程度と言われている。
ただの災害映画じゃない!伏線と陰謀が織りなす濃密なストーリー
ストーリーに着目すれば、決して“ド派手なだけ”の映画ではない。どぉわなくらぁいまぃあいず♪な展開ではない。つまり、「隕石で地球がヤヴィイ、宇宙に行って隕石爆破!はい、めでたい!」の王道パターンではないのだ。
気象コントロール人工衛星の暴走によって地球規模の災害が発生し、世界が大混乱に陥る――これは、あくまで手段であり、物語の核心ではない。ストーリー的にも、黒幕…?的にも。
そう、本作『ジオストーム』には、陰でうごめく“黒幕”の存在があるのだ。
物語は、視聴者の推測の裏の裏をいく。予想だにしない展開…。反転劇からの逆転劇!正比例からの反比例!表と裏の二重構造。「どうだ?すごいだろう?派手だろう?」という、だだ派手さを売りにしたハリウッド大作とは違う、自己満足に浸っていないシナリオが、賞賛に値する。
ド迫力の映像表現に負けず劣らず、伏線の張り方と脚本の巧みさで勝負している点がスゴイ!
VFXの凄みだけに目を奪われがちだが、実は練られたシナリオと構成も、この映画の見どころの一つ。
そして魅せる、忘れてはならないのが兄弟の絆。
アルマゲドンなど、王道ストーリーのアメリカ映画は、大抵自己犠牲を払うことで感動を促すことが多い印象だけれど(偏見)、本作はそれを逆手に取って、さらに感動を味わい深いものにしている。
真実は自身の目で見て!
ジオストーム総評&こんな人にオススメ!|災害×陰謀×人間ドラマ、全部盛りの傑作SF
なんでもあり。災害あり。爆発あり。カーチェイスあり。陰謀あり。それでいて、見事なカタルシス(さいきん覚えた単語)。本作『ジオストーム』は、紛うことなき良作、いや、大傑作である。
- 災害系パニック映画が好きな人
- SF要素のあるリアル系サスペンスが観たい人
- ド派手な映像と緻密なストーリー、どちらも楽しみたい人
- テンポの良い映画で2時間一気に没入したい人
これはただのディザスター映画、ではない。
壮大なスケールと緻密なストーリーを両立させた、SFディザスター×サスペンス×ヒューマンドラマの傑作である!
映画『ジオストーム(2017年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)
- 監督:ディーン・デブリン
- 出演:ジェラルド・バトラー, ジム・スタージェス, アビー・コーニッシュ
- 公開年:2017年
- ジャンル:SF、サスペンス・ミステリー、ディザスター、アクション