人気漫画『響~小説家になる方法~』の実写化作品で、15歳の天才女子高生小説家・鮎喰響を主人公にした青春ドラマが描かれる。
主演は平手友梨奈、北川景子、アヤカ・ウィルソンらが出演し、月川翔が監督を務めた作品。
📖現実ではあり得ない破天荒さが痛快な青春ドラマ
映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜 感想レビュー【あらすじ・原作・実写】
柳本光晴の人気漫画「響 〜小説家になる方法〜」を実写化した映画『響 -HIBIKI-』は、2018年に劇場公開された青春サイコドラマである。常識や周囲の空気に流されず、ただ純粋に「本物の文学」を求める少女・鮎喰響(平手友梨奈)の姿を描く本作は、公開当時から賛否を呼びつつも強烈な印象を残したらしい。文学という静かな世界に、暴風のように現れた彼女の存在感は、視聴者の心をかき乱しながらも鮮烈な印象を与える。
自宅で何を観ようかと映画作品を物色していたら、Amazonプライムビデオの見放題が終了間近と表示されていたので思わず再生してみたものの……。うっすら記憶がある。なんか観たことあるぞコレ。主人公・響の行動があまりに突飛すぎて、ついて行けずに序盤で視聴するのをやめたような気がする。またアレか?「ツッコミどころ満載」の予感が漂う。
とはいえ、レビュー件数は少ないながらも評価は平均★4.0。見放題終了も迫っているし、今回は最後までしっかり観てみることにした。
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『響 -HIBIKI-』あらすじ
原作漫画の実写化としての魅力と違和感
視聴を始めてすぐ、その現実離れした主人公・鮎喰響のキャラクター性の濃さに「う~ん……」と悪い意味で唸る部分はあったが、なんとか途中退出は耐える。視聴途中で作品内容をネットで調べたら、まぁ幾分かは納得できた。本作は柳本光晴の漫画『響〜小説家になる方法〜』の実写映画化であることが判明。それならそうと早く言ってくれ。アニメ化されていたのか気になったが、調べる限りではそれはなかった。もしアニメ化されていれば、表現の幅でリアリティの薄さは気にならなかったかもしれない。実写となると、独特の誇張が強調される印象を受ける。漫画を原作として観るなら、この現実離れしたキャラクター像も十分アリだろう。
そういう前提で視聴すれば、映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜 はともかく勢いがあってよろしい。実に痛快だ。むしろ、実際には到底できないことをフィクションでやってのけることが面白く感じてくる。リアルで鮎喰響のような人物がいたらヤバイサイコパスだが、フィクションを前提としてみれば存在感が際立ち魅力あるキャラクターとして映えている。演技面はともかくとして、主演の平手友梨奈もまたハマり役で、響の異質なキャラクターをしっかり体現していた。
原作漫画で言えば6巻あたりまでを実写映画化したようだが、ストーリーはコンパクトにまとまっている。テンポも良く、展開もビートのようにタンッタンッと刻んできて心地よい。友情やドラマチックな要素も盛り込まれており、群像劇としても楽しめる。特に、他の小説家たちの設定や背景はそれぞれに想いがあって良い。また響と出会った周囲の登場人物たちが、当初は嫌な人物に見えながらも、響の影響で次第に内面をさらけ出す姿は見応えがある。
それでも個々サブキャラクターは若干存在感が薄いような気もするが、しかし主人公・響の輪郭がハッキリし過ぎているので仕方ないだろう。しかしながら、作中に登場する高嶋政伸や北村有起哉ら、おじ様方の演技力には圧倒される。演技でディティールを掘り深く表現できていた。さすがである。
総じて、ストーリー・キャラクター・演出がバランス良くまとまった映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜 の感想レビューとしては「良作」と位置づけられる。序盤の展開で好みが分かれる可能性はあるが、漫画原作の実写化作品のフィクションであるという前提で、ぜひ視聴をしてみて欲しい作品だ。
映画『響 -HIBIKI-』の見どころは主人公の破天荒な行動力
本作の最大の見どころは、やはり主人公である鮎喰響の破天荒な行動力であろう。彼女は自身の主張を貫くために本棚を倒し、嫌な大人には容赦なく蹴りを入れる。とにかく自分の気持ちに真っすぐに正直で、後先を考えない行動が響というキャラクターの魅力である。現実にこのような人物が存在したら社会では生きづらいだろう。っていうか、生きていけない。しかし繰り返すが、これはフィクション映画である。だからこそ視聴していて面白いし、シュールな彼女の言動が作品のエンタメ性を際立たせている。
実際、Amazonレビューの平均評価は★4.0と高評価だ。つまるところ、多くの視聴者が響の姿に魅了されたと考えるべきである。実際に私たちが生きる現実世界で、理不尽や不満を抱える人々は少なくない。むしろ、皆ストレスばかりだろう。響のぶっ飛んだ行動は、そうしたフラストレーションを代弁するようにも見える。私自身も時折、「こんな世界なんて壊れてしまえ」なんて思うことがある。響は、それを映画の中で体現してくれる存在なのだろう。
本作のテーマは、現実社会の不条理に対して「破壊」という形で抗う痛快さにあるのではないだろうか。響の姿を通して、人々は日常のストレスを解放できる。それだけでも映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜 の感想として「観る価値あり」と言えるだろう。

主人公・響の純粋さと自分自身を重ねて思うこと
映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜を観ていて特に印象的だったのは、主人公特・鮎喰響の純粋さである。響は作中で数々の文学賞を受賞するが、本人は名誉や勲章にはまったく興味を示さない。彼女が好きなことは「本を読むこと」「小説を書くこと」だけである。それ以外には無関心で、そして自分がやりたくないことは一切やらない(それでも人の心が傷つくことには敏感であるが)。ただ真っすぐに、したいやりたいことだけに向かう姿が強烈に描かれていた。
響と比較して、私はどうだろうか。実は今あなたが読んでいるこのブログ、私の人生で5つ目か6つ目のブログである。どのブログも初めのうちは「書きたいから書く」だけだったはずなのに、いつの間にかPVやら収益が気になってくる。本来は好きなことを書くのが目的だったはずなのに、いつの間にか志が変わり、Googleサーチコンソールやページスピードインサイトの数値に振り回されるようになった。気が付けば、文章を書くことよりスコア対策ばかりに時間を使い、本当にやりたいことを忘れてしまった過去がある。そうして、そんなことが嫌になって結局かつてのブログはやめてしまった。このブログも、実際この先どうなるかわからない。
だからこそ、響のように「小説を書く」「嫌なことはやらない」「ただ純粋に真っすぐに」という一点だけに向き合う姿がうらやましい。現実では、やりたいことをだだやり続けるというのは非常に難しい。周囲の評価や結果に気を取られ、本来の目的を見失ってしまうのが人間というものだ。映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜 感想として言えば、彼女の破天荒な行動は非現実的だが、それを映画の中で極端に描くことで、現実で生きる私たち人間に「目的と手段を履き違えてはいないか?」と問いかけているのではないかと思えてならない。
こんな人にオススメ!
映画『響 -HIBIKI-』は、以下のような人に特にオススメできる作品である。
- 現実ではあり得ない破天荒なキャラクターを楽しみたい人
- 平手友梨奈の代表作を観たい人
- 原作漫画『響〜小説家になる方法〜』を知っていて、実写版の再現度を確認したい人
- 青春映画や群像劇が好きな人
- 日常の理不尽さを吹き飛ばしてくれるフィクションを求めている人
まとめ:映画『響 -HIBIKI-』感想レビュー
映画『響 -HIBIKI-』〜小説家になる方法〜は、原作漫画が持つ熱量をそのまま実写に叩き込んだような作品である。現実離れしたシュールな主人公・鮎喰響のキャラクター性は賛否を呼ぶが、フィクションとして視聴すればその破天荒さが痛快に映る。平手友梨奈をはじめとしたキャストの熱演、そしてリズム良く展開するストーリーは、視聴者を興奮に導く。
万人ウケする映画ではないかもしれないが、フィクションならではの爽快感や文学をテーマにした独自性を求める人には刺さる作品だろう。ぜひ一度体験してみてほしい。
映画『響 -HIBIKI-(2018年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)
- 監督:月川翔
- 出演:平手友梨奈, 北川景子, アヤカ・ウィルソン, 高嶋政伸, 柳楽優弥, 吉田栄作, 小栗旬
- 公開年:2018年
- 上映時間:105分
- ジャンル:青春, ドラマ