主演はチン・グと天才子役チョン・ソヨンであり、盲ろうの少女と男性の心の交流を描く。
ジャンルはヒューマンドラマ・障がい者描写で、家族愛や感動映画を探す人におすすめである。
😭涙腺、秒で崩壊。感情を揺さぶられる映画
映画『僕にはとても大切な君』感想レビュー
泣かせにくる演出じゃない、存在そのものが涙を誘う韓国映画の感動ストーリー。
韓国映画『僕にはとても大切な君』は、金に追われる男ジェシク(チン・グ)と、母親を亡くした盲ろう(視聴覚障がい)の少女・ウネ(チョン・ソヨン)が、旅の中で少しずつ心を通わせていく感動のハートフル・ストーリー。言ってしまえばありきたりな設定で、泣ける映画として紹介されることが多いが、それだけでこの映画のすべてを語ることはできない。
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映画が始まって、わずか7分。私は涙腺が崩壊し、呼吸もままならない。
「う”…う”え”…う”っぐ…う”え”え”え”」――私は本当に、たやすい人間だ。
それほどの衝撃が待っている。
『僕にはとても大切な君』はどんな映画か
本作は、セリフや展開で、何かを強く訴えかけてくるわけではない。
この作品は「明確な着地点」があるタイプの映画ではなく、雰囲気で語り、空気で感じ取る“感覚の映画”だ。
しかしその語り口の裏には、視聴者の心を静かに、しかし確実に揺さぶるだけの強さがある。
言葉を介さずに感情として胸に届くストーリーは、静かでありながら力強く、泣ける映画を求める人には必見の逸品である。
お金を除いて世界に怖いものなどなかったジェシクは、突然この世を去った従業員ジヨンの財産を目的に、ジヨンの娘であるウネの父親を演じることに。しかしジェシクは後になって、ウネが視覚と聴覚に障がいをもつ子供だと知るのであった。見ることも聞くこともできないウネとの生活に苦痛を感じていたジェシクだったが…。
映画が“触れてくる”体験|韓国映画『僕にはとても大切な君』レビュー
韓国映画『僕にはとても大切な君』は、目も見えず、耳も聞こえない7歳の少女・ウネの存在そのものを、静かに、丁寧にすくい上げてゆく感動映画である。
泣ける映画として注目される本作は、単なるヒューマンドラマではなく、視聴者に“触れるように”迫ってくる特別な体験を与える。
ウネの繊細な動き、微かな反応——その一つひとつを、カメラは逃さず映し出す。ただ彼女のその姿を「魅せる」ことに、ひたすら集中しているかのようにさえ思え、観る者の心に深く、深く刻み込まれる。
また、作中のいくつかのシーンでは、次の展開を予想させるように巧みな設計がされている。その”予見”が視聴者の感情を波立たせ、涙腺を刺激するのだ。結果として、ただ泣けるだでなく、「心を揺さぶる映画」として強く記憶に残るのである。
ウネが体現する“世界を感じる力”
物語の中心にいるのは、盲ろうの少女・ウネ。
彼女は“見ること”も“聞くこと”もできないが、触れることはできる。そして彼女は、触覚を通して、確かに世界を感じている。
一方、私たち視聴者は、映像と音を通してウネの世界を追体験するが、しかし実際に物理的に物語に触れることはできない。ただ視覚と聴覚を以ってして、感じている。その非対称性が、あるいはある意味での”対称性”が、視聴者とウネとの間に独特の緊張感を生み、結果的に作品としての映画の力強さを成り立たせている。
この構造は、演出者と視聴者を、鏡のように反転させ写しているようにも見える。この対比こそが、本作の最大の魅力であり、韓国映画が持つ繊細な表現力の高さを証明している。
チョン・ソヨンの演技力が凄すぎる|子役とは思えない圧巻の表現力
韓国映画や韓国ドラマは総じてクオリティが高いと私は評するが、本作『僕にはとても大切な君』で最も衝撃を受けたのは、ウネを演じたチョン・ソヨンの圧巻の演技力である。
あちらのドラマや映画はガチなだけに、マジで視覚障がいのある子を起用したのでは?と思ってしまうほどにリアル。視線の動かし方や身体の使い方まで、とにかく細かくて自然だ。泣ける映画としての説得力を、何倍にも高めていた。
さらに驚いた特に注目すべき点は、感情表現の巧さだ。
前半の警戒心を持ったウネ、中盤で少しずつジェシクとの距離が縮まる過程、そして後半、心を大きく揺らす場面――すべての感情が的確に演じ分けられている。場面ごとに表情も雰囲気もまったく違い、まさに天才のそれである。
映画内でのウネの設定年齢は7歳。撮影当時の実際のチョン・ソヨンも7歳だったというから、まさに天才子役だろう。もっと幼くも見えるが、その内側に秘めた演技力には震えすら覚えた。
本作をきっかけに注目を浴びたチョン・ソヨンは、今後韓国映画・韓国ドラマ界を牽引していく存在になるだろう。むしろ期待している。まさに「韓国の天才子役」として、今後の活躍が楽しみである。
ウネの存在が心に残る韓国発の感動作
韓国映画『僕にはとても大切な君』のラスト、ウネは自分を知り、そしてジェシクを知る。その瞬間、私の心は揺さぶられ、涙腺は完全に崩壊する。
物語の全編を通して涙腺が傍若無人に振る舞うが、同時に物語全編を通して涙と笑いが交互に訪れ、感情の幅も非常に広い。それでもやはり、何よりチョン・ソヨンの圧倒的な演技力が、感動の涙の核となっている。
チョン・ソヨン泣きポイントランキング
前述の通り、チョン・ソヨンの演技力は圧倒的である。特に、視聴者の涙腺を直撃する「泣きポイント」を挙げると、以下の通りになる。
- 開始7分、ウネの初登場
沈黙の中、彼女の小さな仕草が境遇の重さを伝える瞬間。 - ジェシクの手を握る場面
恐れから信頼へと心が揺れる。触覚で結ばれる関係の始まり。 - ラストシーンの“知る”瞬間
言葉ではなく触覚と感覚で、父と子の関係を確認する。ここで涙腺は完全崩壊である。
これらはすべて、セリフではなく身体表現と表情の演技のみで観客を泣かせにくる。ソヨンの表現力は、まさに天才である。
本作は「泣ける韓国映画」として紹介されがちだし、私もランキング形式で紹介はしたが、しかし本作はただ視聴者に涙を促すだけでなく、ウネの存在そのものを静かに見守らせる方向にも徹している。
父性を描く日韓映画の違い
日本映画『そして父になる』が「父性とは何か」を言葉や状況で描くのに対し、『僕にはとても大切な君』は「触覚」を通じて父と子の関係を浮かび上がらせている。まさにウネには、視覚と聴覚がない。この違いが、本作をより身体的で感覚的な作品にしている。ここで『そして父になる』を比較対象にしたが、作品の方向性を示す意図であって他意はない。むしろ『そして父になる』は数々の賞を受賞しているし、素晴らしい作品であることを補足しておく。
ウネがすべてを持っていった
ウネはただただ無邪気で可愛らしく、そして愛おしく切ない。チョン・ソヨンの名演技がこの映画の核であり、ウネというキャラクターに命を吹き込んでいる。
さっきから私はウネウネとうるさい。ジェシクも一応は中心人物、というか主人公であり、その存在も大きいが、ウネが全部持ってった!もうそれでいい!
その力は是枝裕和『誰も知らない』での柳楽優弥の演技を思わせるが、本作は絶望で終わらず、希望を託す点で普遍的な温かさを持つ。
クライマックスを見届けたとき、きっと誰もが「ウネに幸せであってほしい」と願うだろう。
ちなみに、聴覚が希望ではなく絶望に変わるスリラー映画はコチラ ▼
こんな人にオススメ!映画『僕にはとても大切な君』
- 心から泣ける韓国映画を探している人
- 温かさと切なさが同居する感動作を観たい人
- 天才子役チョン・ソヨンの圧倒的な演技を体験したい人
- 静かに心を揺さぶるヒューマンドラマを求めている人
- 『そして父になる』など親子を描いた映画が好きな人
- 涙腺崩壊必至の泣ける映画を観たい人
まとめ|涙と希望を同時に抱かせる映画
『僕にはとても大切な君』は、単なる泣ける映画にはとどまらない。静かに語りかけながらも確実に心を揺さぶり、観終わったあともウネの存在が胸に残り続ける。
チョン・ソヨンという天才子役の演技は、観客の涙を誘うだけでなく、「人と人が触れ合うことの意味」を深く考えさせてくれる。希望を残すラストは、悲しみの余韻に温かさを与え、観た者に前を向かせる。
泣ける韓国映画を探している人はもちろん、心を動かす感動作に出会いたい人にこそ、この作品をぜひオススメしたい。
映画『僕にはとても大切な君(2021年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)
- 監督:イ・チャンウォン、クォン・ソンモ
- 出演:チン・グ、チョン・ソヨン、パク・イェニ
- 公開年:2021年
- 上映時間:100分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、障がい