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『ジョン・ウィック(2014年)』レビュー|アクションと世界観が極まった“見惚れる復讐劇”の凄み

圧倒的にスタイリッシュでカッコいいキアヌ・リーヴスを堪能するアクション映画

映画『ジョン・ウィック』感想レビュー【シリーズ入門にも最適】

映画『ジョン・ウィック』は、裏社会で“伝説”と語られた存在ジョン・ウィックを演じるキアヌ・リーヴスの魅力が全編に凝縮されたアクション映画である。物語は、妻を亡くしたジョンが、彼女(演:ブリジット・モイナハン)の遺した子犬と過ごす静かな日々から始まる。しかし、犯罪組織のボス・ヴィゴ・タラソフの息子ヨセフ(アルフィー・アレン)が家へ押し入り、車を奪い、子犬の命までも奪ってしまう。この出来事を境に、ジョンが封じていた過去が再び動き出し、裏社会に恐れられた“本当のジョン・ウィック”が表舞台へと姿を現す。

スーツを着て眼鏡をかけた男が近接戦闘の射撃スタイルを取っている

近接戦闘の射撃スタイル

言わずと知れた超人気シリーズ映画『ジョン・ウィック』。現在ではアクション映画の新たな基準とまで言われている作品だ。

そのスピンオフ作品 『バレリーナ:The World of John Wick』が高評価を集め、しかもAmazon Primeで最速配信されると話題になったことで、シリーズ全体への注目度は、私の中でもますます上昇している。んだらば本家本元を観なければならないと思ったのだが、なんとすでに4作品あると言うではないか。

私自身、主演がキアヌ・リーヴスなのは知っていたが、実は『ジョン・ウィック』シリーズに触れるのは今回が初めてである。キアヌと言えば『マトリックス』。『マトリックス』と言えばキアヌである。

『マトリックス』も三部作あり(ほかにもアニメなど派生作品は多数)、そちらはリアルタイムで追いかけていたのだが、『ジョン・ウィック』を私はさいきん知ったのだ。なので、もうすでに目の前にドーンと4本あると思うと、やはり尻込みしてしまう。しかしながら、意を決して観ることにした。

四部作は少々重いが、致し方なし痛し肩なし。いざ参らんと再生したら、その不安は一瞬で吹き飛んだ。開始早々からスタイリッシュなアクションと世界観に引き込まれ、気づけば「続編を早く観たい」と思うほど夢中になっていたのだ。四部作というボリュームの多さも、面白さの前ではむしろ“ありがたい”とすら感じる。

この熱量のままレビューを書き上げて、早く続きへ突入しようと思う。『ジョン・ウィック』は、アクション映画が好きな人はもちろん、シリーズ初心者にも強く勧められる作品である。

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『ジョン・ウィック』あらすじ

妻を亡くして静かに暮らしていたジョン・ウィックは、妻が遺した子犬を奪われ、愛車まで壊されてしまう。平穏を踏みにじられたことで、かつて闇の世界で名を馳せた彼の技と怒りが再び動き出し、ジョンは裏社会へ戻って報復に向かう。“伝説”と呼ばれた男の再起によって、暗がりの世界がざわめき始める。

『ジョン・ウィック』は何が凄いのか:アクションと映像美が融合した復讐劇

映画『ジョン・ウィック』は、主演キアヌ・リーヴスの存在感を最大限に活かした、極めてスタイリッシュな復讐アクションである。上映時間は約100分とアメリカ映画の大作にしては比較的コンパクトで、ストーリーはわかりやすい。序盤から終盤までテンポの良い展開が続き、視聴者を一気に引き込む構成となっている。

とにかく爽快で気持ちいい!

特に本作の象徴ともいえるのが、銃撃と格闘を組み合わせガンフー(Gun×Kung-fu)のアクションスタイルだ。撃ちながら間合いを詰め、流れるように拳や蹴りを繰り出す戦闘は、近年のアクション映画の中でも突出した完成度を誇る。

超スタイリッシュ!

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さらに、映像の魅力を強めているのが光の演出である。特にダンスステージでの戦闘シーンは、暗闇の中に差すライトが空間を劇的に彩り、アクションと美術が完璧に融合している。キアヌ・リーヴスのしなやかな動きと照明のコントラストが相乗効果を生み、画面そのものが“魅せるアクション”として成立しているのだ。

コレまた超スタイリッシュ!

まさにキャッチコピー「見惚れるほどの、復讐」を体現した映像表現である。

全体的にストーリーはスピーディに進み、ほとんど隙がない。アクション一辺倒に見えて、裏社会を思わせる舞台美術や、”コンチネンタルホテル”をはじめとする独自の設定が丁寧に作り込まれており、世界観に厚みを持たせている。裏切りや友情の描写も挿入されていて、少ない説明でありながら登場人物たちの背景を感じ取れる構造となっている印象だ。

終始圧倒的にカッコいいキアヌ・リーヴスを堪能できる本作『ジョン・ウィック』は、アクション映画として非常に爽快かつ満足度が高い。スカッとしたい時、迫力のアクションを味わいたい時に最適の一本だろう。

 

キアヌ・リーヴスの魅力が爆発する『ジョン・ウィック』の見どころ

本作『ジョン・ウィック』の見どころは言わずもがな。やはりキアヌ・リーヴスその人である。

相変わらずイケメンだ『マトリックス』の頃よりも渋みと落ち着きを増し、年齢を重ねたことでアクションに深みが生まれている。歳をとってもイケメン、はげてもイケメン、ヒゲを生やしても清潔感があり、西洋人はズルい。画面に立つだけで存在感が段違いである。

キアヌ禿てないけど。

本作の特徴である“ガンフー”アクションの大半をキアヌ本人がこなしている点も評価が高い。スタントもこなしたと聞く。銃撃と格闘を連動させた戦闘は無駄が一切なく、的確に一撃で仕留めるまさに一撃必殺には、相手は構えを取る隙すら見せることができない。息をするように殺めていくのがスタイリッシュー!!

さながらアクションゲームのRTA(リアルタイムアタック)。観ていて快感すら覚えたほどだ。

また、完璧超人のように描かれていないところも良い。一方的に相手を消していけるわけではなく、キアヌ演じるジョンは戦いの中でそここそ傷つくのだ。そこがまた人間っぽくてリアリティを生んでいたし、だからこそ視聴していて手に汗握る。

伝説的殺し屋でありながら、やはり“生身のジョン・ウィック”というのが印象的だ。

さらに、ジョンが単独で戦う一方で、友情や信頼によって助けられる瞬間もある。裏社会という冷酷な世界の中に、人間味や絆の気配が垣間見える点が、本作のキャラクター描写を豊かにしていた。冷徹さの中にも熱い人間味を見出すことができるのが、またムネ熱である。

強いて物語で弱い部分をあげるならば、もっと犬との仲を表す描写があってもよかったかなとは思う。ジョンと子犬が過ごす時間はわずか数日と短いが、もう少し亡き妻の忘れ形見としての表現が濃い方が、復讐としての意味合いが増し、説得力が出たように思う。さすがに子犬との関係が薄く、その点では納得するのが難しい。

若干の心理描写は薄いものの、それを補って余りあるほどの完成度を誇る映画『ジョン・ウィック』。アクション表現を刷新したと言われる本作は、キアヌ・リーヴスの新たな代表作と言って差し支えない。未見であれば、今すぐ観るべき一本である。

 

『ジョン・ウィック』に息づく独自の世界観と設定の緻密さ

ジョン・ウィックシリーズの魅力は、派手なガンアクションだけにとどまらず、その背後に広がる独自の世界観裏社会の緻密な設定にある。アクション映画の枠を超えて“世界構築”がここまで語られる作品は、そう多くないだろう。

たとえば、ジョンの報復を恐れ先に手を打ったロシアン組織の部隊をジョンが制圧する場面では、警察が騒ぎを聞きつけ現場を見ても、静かにやり過ごす。この描写はシュールに見えるが、同時に裏社会の暗黙の了解が公然と存在している世界を強く印象づける。非現実の演出でありながら、むしろリアリティを生むという絶妙なバランスだ。

シュールも行き過ぎるとリアリティを生むという良いケースだろう。

また、シリーズを象徴する要素として欠かせないのが“掟”を絶対視する裏社会のルールである。とくにコンチネンタルホテルは中立地帯として描かれ、どれほどの凄腕ヒットマンであっても仕事(シゴト)が固く禁じられている。この一つの設定がカオスな中にも緊張感と秩序をもたらし、ジョン・ウィックの世界観を際立たせているのだ。

さらに、裏家業の人間が共通で使用する金貨(ゴールドコイン)も、作品の世界を彩る重要なディティールである。サービスや信用を独自のレートで交換する仕組みは現実には存在しないが、映画内では違和感なく機能し、虚構でありながら強い説得力を持つ。「本当に裏社会にこうした通貨があるのでは」と感じさせるほどの精密さであり、「ちょっと使ってみたい」と思うくらいだ。

BTC(ビットコイン)を物理的にコインにしたみたいな。

現実の都市ニューヨークを舞台にしながら、細部には“もう一つの世界”が静かに息づいている。日常と非日常が自然に接続されるこの感覚こそが、『ジョン・ウィック』の世界観を唯一無二のものにしているのである。映画を観終わった後でさえ、現実世界のニューヨークにも裏の顔があるのではないかと錯覚させるほどだ。

まぁニューヨークどころか海外に行ったことはなんですが。

 

こんな人にオススメ!

『ジョン・ウィック』は、ただのアクション映画ではなく、映像・世界観・キャラクターの三拍子がそろった完成度の高い作品である。以下のような人には特に刺さる一本だ!

  • ガンアクションや近接戦闘の“見せ方”にこだわりたい人
  • 世界観の作り込みが深い作品が好きな人
  • 強さの裏にある人間味やドラマを求める人

アクション映画に慣れている人でも満足度が高く、むしろ細部にこそ興味を持てるタイプの人ほど楽しめる構造になっている。

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まとめ──『ジョン・ウィック』がアクション映画の基準を変えた

映画『ジョン・ウィック』は、アクションそのものの革新性だけでなく、ノワールのルールや美学までも作品の一部として成立させた稀有な映画である。派手なアクションを楽しむことはもちろん、細部の設定を読み解くことで何度観ても美味しく味わえる構造になっているのが特徴だ。

復讐劇としてのシンプルさと、徹底的に磨かれた表現。この二つが揃うことで、本作は単なる娯楽作品の枠を超え、後続のアクション映画に大きな影響を与えるシリーズへと成長したのである。未見であれば、ぜひ一度その世界に触れてみるべきだと私は断言する。

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映画『ジョン・ウィック(2014年)』の作品情報まとめ(監督・キャスト・配信情報など)

  • 監督:チャド・スタエルスキ
  • 出演:キアヌ・リーヴス, ウィレム・デフォー, イアン・マクシェイン, ミカエル・ニクヴィスト, ディーン・ウィンタース
  • 公開年:2014年
  • 上映時間:101分
  • ジャンル:アクション

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